「ヒロガルソーシャル」・・・杜の宮市・まちの宮市の事業案内(4)
杜の宮市・まちの宮市の事業(部門)紹介の第4弾は「ヒロガルソーシャル」です。
2015年4月26日開催の第15回杜の宮市から始まった、杜の宮市オリジナル企画です。
クラフトフェア「杜の宮市」の他の部門と少し異質な「市民活動大集合!」は、なぜミヤイチで開催しているのでしょう。それは杜の宮市自身が「市民活動」だからですが、それにしてもなぜ。
簡単に言えば、カギカッコつき「市民活動」の枠の外で、杜の宮市やまちの宮市の来場者の方々に広報をし、その過程で出展団体も気づきや学びを得て、さらに地域のソーシャルな活動が増え、深みも広がりも増していくようにする作業です。
平成の大合併 そして、グレーター 一宮市
「市民活動大集合!」が始まったのは2006年5月21日、第6回杜の宮市の時でした。
それに先立つ2005年4月1日、平成の大合併の流れの中で、一宮市そして尾西市と木曽川町は対等合併という名称の実質は吸収合併をして、大きく新しい「グレーター 一宮市」となりました。合併債という飴と鞭を鼻先に突き付けられ、各地の行政はどこも将来世代に借金を残してプチバブル状態へ。2012年一宮市では、駅に隣接して完成する「i-ビル(尾張一宮駅前ビル)」がこの代表的産物でしたが、他にも色々あるバブルの産物の一つに「新市誕生記念事業」というのがありました。
「グレーター 一宮市」の誕生を記念して(祝って?)、様々な市民イベント、市民プロジェクトに一宮市が補助金を出し、「新市誕生記念事業」という“冠”を付けていくものでした。そしてほとんどの事業がすぐに消えました。
特定非営利活動法人 志民連いちのみや
杜の宮市は、「どすこいライブ」「にぎわい広場」「ブレティンいちのみや」「まち遊び総研」など20世紀末から続く様々な市民活動・文化活動の取り組みや実験を受けて2001年にスタートしました。そして杜の宮市を含めて、さらに様々な活動をしていくうち、地域に根差す共通の課題がだんだん見えてきました。
それは、小さなもの、弱いもの、新しいもの、お金に結び付きづらいもの、あるいは偉い人が関わっていないもの、そうしたものを守り、助け、育んでいく文化の弱さや基盤の無さ、失敗しても再度チャレンジできる包容性や仕組みの少なさです。
21世紀初頭の一宮地域では、市民活動は人口規模に比してかなり少ない状態でした(今でも多くありません)。その少なさと、また少ないがゆえに活動のようすを近しく見られるわけで、多くの団体の中に上記のような地域共通の課題を強く感じました。杜の宮市自身も、地域でアウエィな対応も受ける中でずっと奮闘していました。
他方、1998年にできた「NPO法」により日本でもNPO法人(特定非営利活動法人)が誕生します。色々な面で不安定さに疑問があったものの、杜の宮市の大きなうねりを受けつつ、様々な関連事業を整理するようにして「特定非営利活動法人志民連いちのみや」を設立しました。一宮市合併に先立つこと2か月、2005年2月2日のことです。
志民連いちのみやは、2012年からは「一宮市市民活動支援センター」を受託運営し、市民活動を支援する活動をおこなうほか、コミュニティ施設「com-cafe三八屋」や地域オリジナル「一宮ブルワリー」の運営などもしています。
市民活動大集合!新市の未来へ「一宮NPOフェア」
志民連いちのみやでは、合併債をどうにか未来の地域の人たちに返済しようと、色々な「新市誕生記念事業」を展開しました。まちなかのパブリックアートを探し、市長との小規模懇話会で市内を巡り、一宮ちんどん隊を整備するなどの事業です。併せて「市民活動大集合!」も新市誕生記念事業としてスタートします。
当時すでに杜の宮市は、まあまあな来場者になっていました。また来場者の流れは、一宮駅から歩いて本町商店街に入り、2丁目から1丁目へと北上して信号を渡って当時の会場エリアへ行くのが中心になりつつありました。
市民活動や福祉関連のイベントの多くは、市民活動に関わる人(ばかり)が集まることなりがちです。しかし市民活動も多くの人とコミュニケーションを持ち、相互関係を持つ中で活動が広がり深まるものです。また杜の宮市の来場者は、市民活動のようなことにも関心を持つ人がたくさんいると感じていました。
そうした中、本町1丁目商店街振興組合の協力を受け、本町1丁目の路上で「市民活動大集合!」をスタートしました。様々な市民活動団体が展示をしたり、体験教室をしたりして活動を紹介していくものです。当初は単なる展示が主流でしたが、多くの来場者とコミュニケーションを取る中で、体験教室や対話型の広報が増えていきました。
やがてこの「市民活動大集合!」は杜の宮市の一つの部門となって、他の部門と関係性を持ちつつ運営され、現在に至っています。
市民活動って
市民活動とは何でしょう。「地域や社会にある課題の解決を目指して、市民が自主・自律・非営利・先進性を持っておこなう公益的具体的活動」というようなことです。
あれぇ、これ問題なのに、役所も誰も何もしないままだな、じゃあ自分たちで考え、自分たちで資金を工面し、もらえたらお金もらうけど、お金が無くても誰もやらなくても、続けてやっていこう・・・そんな感じの動きです。
ヒトもモノもカネもありませんから小さな活動を地道に続け、オープンにその活動を続ける中で協力者や資金を得て、さらに活動を持続し少しずつ深く広げていく、今でいう「ソーシャル」な活動です。
市民活動大集合!と、ヒロガルミヤイチ
奇異な目で見られてきた市民活動も、ソーシャルな活動として一定の理解は得られるようになりましたが、国としても地域としても、まだまだ活性化すべき領域です。
20世紀的な古い「公」と「私」の境界は曖昧になり、市民が担う公的活動がいよいよ重要になっています。
また地域へのソーシャルな活動は、市民だけでなく、企業や団体の社会貢献、CSR活動としても急速に広がっています。こうした領域は、他に比べこの地域は相当な遅延が発生しています。
こうした状況の変化から、市民活動大集合!もまたソーシャルな形でリ・ボーンさせていく先進性が求められています。
他方、杜の宮市では「ヒロガル ミヤイチ」という事業も展開してきました。各地域と杜の宮市が繋がって広がっていこうという企画です。一番端的な事業は、アーチストの梅津諭さんが橋渡し役になり、糸魚川市の行政から団体、学校や企業までが杜の宮市に来て広報と物販をしたものです。行政とか企業とかの枠を超えて、糸魚川市のワンチームとして太平洋側のまち一宮での大きな活動でした。
「市民活動大集合!」は「ヒロガル ミヤイチ」と合体した、いわば「ヒロガル ソーシャル」ムーブメントへと進化していきます。
杜の宮市・まちの宮市での「ヒロガルソーシャル」
私たちは、自分たちで汗をかき、知恵を出し、皆と一緒に楽しみ、文化とコミュニケーションを広げる活動をしています。この活動は同時に次のステップへ活動が繋がる地域基盤、プラットフォームを作る過程でもあります。活動をしつつ、その活動のための基礎も作るのが市民活動の一つの特質です。橋を手づから作りながら先へ進んでいくイメージです。
杜の宮市・まちの宮市というそれ自身がソーシャルな活動の中で、また新たなソーシャルが地域に広がり育つ基盤としてステージとして「ヒロガルソーシャル」は開催していきます。
杜の宮市での「ヒロガルソーシャル」では
● ソーシャルな活動の広報をしてください(ワークショップ、体験教室が主流の出展は「杜の学校」へ)。
● 企業や団体の社会貢献活動・CSR活動の広報や実験にも活用を。
● 行政や関連団体・協会などの広報ブースもご出展ください。
● 1つのブースを2団体とかの複数でシェアすることもOKです(どれもソーシャルな活動である場合)。
● 関連する事業(営利事業含む)の広報が若干入るのも構いません。
★ 一宮市市民活動支援センターも出展を支援します。